2005年7月
【水曜】 むくみのはなし
むくみは身体の皮下組織といわれる皮膚の最も深い脂肪を含むところに水分がたまることによって現れ、医学用語で「浮腫(ふしゅ)」といいます。むくみであるかないかの判断は、一般的にむくんでいるところを指で押さえて行います。むくみがひどくなって病的になると、身体のどこを抑えても皮膚にくぼみが出るようになります。水がたまることで体重の増加もみられます。
しかし、むくみが軽い場合は指で抑えてもくぼまないこともあり、むくみに伴う体重の増加を単なる肥満と勘違いしてしまうことがあるので注意が必要です。また、むくみと間違われる病気に甲状腺機能低下症があります。これは顔や皮膚が腫れぼったくなりますが、むくんでいるところを押さえてもくぼみません。
むくみの多くは足、顔、まぶたなどに現れますが、時には全身に現れることもあります。むくみは、それが現れる場所によって原因となる病気が違ってきます。もし立っている時に足にむくみが現れ、夜休むと軽くなるか消えるものは心臓病のことが多く、静脈瘤による足のむくみも同じような症状が見られます。この時、夕方になると靴がやや窮屈に感じることもあります。朝起きた時、眼の周りにむくみが現れている場合は腎臓病によることが多く見られます。このほか、肝硬変などの肝臓病が原因でむくみが現れることもあります。
また、全身に現れるひどいむくみは、腎臓や心臓の病気であるネフローゼ症候群やうっ血性心不全などが考えられます。このむくみは、皮下組織のむくみだけでなく、お腹や胸の中などに水分がたまることがあり、症状が悪化すると呼吸困難を引き起こすこともあります。このように全身にむくみが現れる場合、皮膚はぱんぱんに張って光沢がでてきます。
以上のように、むくみは心臓、腎臓、肝臓、内分泌など多くの病気が原因で引き起こされますので、かかりつけの医師とよくご相談下さい。