2005年9月
【火曜】 咬み合わせと全身の関連について
まず、今回お話しする「咬み合わせ」については矯正治療での「出っ歯」や「乱ぐい歯」というのとは少し異なったものです。
それでは、咬み合わせについて、上下の歯がお互いどの様に接触し合うのかといったことで簡単な実体験をしてみましょう。まず、リラックスした状態でイスに座ります。そして、軽く上下の歯が触れ合った状態にしたまま上体を前に傾けます。このとき、少し前歯の当たりが強くなっていると思います。次に、体を後ろに曲げてみてください。奥歯の当たりが強くなったと思います。このとき、左右の差が出る人もあります。このように、咬み合わせは姿勢、つまりバランスと密接な関係がある事がわかります。
例えば、転落事故、追突事故などで首を傷めると咬み合わせが変わったり、顎の具合が変になったりする事があります。また、腰に問題がある人は長い期間を経て同じような症状が出ることもあります。この場合、肩とか耳などに症状が同時に現われる場合もあります。
これらのことが思い当たる方は、かかりつけの歯科医に相談してみましょう。この場合、他分野の医療機関との連携が必要なこともあります。
一方、マウスピースなどで咬み合わせを変える事によって全身に影響を及ぼす事も知られています。咬み合わせを高くする装具であるマウスピースはスポーツの際に有効なこともありますが、長時間の使用については、必ず歯科医の定期的なチェックが必要です。
また、歯科治療で修復してもらったところの異和感が数日経っても残る場合も相談してみましょう。