2005年11月
【水曜】 生きていてよかった~つらい気持ちになったとき
人が生まれるということは、本人の意志とは無関係に、一般的には父母の愛情によって幸福に生まれて育てられるか、または不幸を一生かかえて苦しい人生を送ることになるか、わからない部分があります。
これに対して、死ということは、自分で決定されることもありうるので、まず自分の存在が社会や家庭に役立っているという満足感があるかどうか、生き甲斐をもち、人生をどのように考え、日々の生活を充実させるかを考えてみてください。
人一倍活発な人が、何らかのきっかけで、急に活力や意欲を失ってしまい、無気力状態や抑うつ状態に陥ってしまうことがあります。同時に動悸やめまい、息切れや胃腸障害など、身体のあちこちにも色々な症状が現れて来ることがあります。
死にたいと思うときは、周囲の人と異なって、自分一人だけが不幸な状態にあると考えます。心身ともに苦痛を感じたり、自分の悩みを話せる人がいなく、孤独となっているとき、現実に生きる力を失い、死を求めてしまいます。人は孤独になったり、一人で考え込むことがある程度以上になると、死を選ぶことになります。
例えば、地震や台風などの自然災害で生き延びた人は、「生きていてよかった」と周囲の人たちと、運命とか、生きる喜びを語りあえることができます。これは同じ状況を体験すると、感謝の気持とともに、残る人生に生き甲斐を見出そうとするからです。
人生にはいろいろな苦労があります。そういった時は、周囲の人たちと語りあい、それを乗り越えられたとき、「生きていてよかった」と思えるようになります。ただし、身体症状や精神症状が強いとき、また周囲に相談できる人がいない時などは医学的治療が必要ですので、最寄の心療内科か精神科にご相談下さい。
また、日頃からのバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、また余暇をうまくみつけて、ゆとりのある生活を心がけることが、最も基本的な予防法となります。