2006年1月
【水曜】 肩こりについて
肩こりとは「後頭部から肩、および肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする不快感、違和感、鈍い痛みなどの症状、愁訴」と定義されます。
肩こりは、15歳から64歳までの年齢層の女性が訴える症状の第1位で、約20%の人が悩んでいます。男性は女性の3分の2程度で、小学生でも2%が感じていると云われています。
肩こりの原因には次のものがあります。
①肩関節の動きが制限されて、そのために肩甲骨を動かす筋肉がかたくなっている。②頚椎の動きが制限されて、首の周りの筋肉が緊張している。③肩から手の動きを支配する神経の集まりが筋肉の間で圧迫される。④ストレスで疲れがたまり、首の後ろの筋肉の緊張が高まっている。これらのいずれの場合も、最終的にかたくなってくる筋肉は、肩甲骨の内側にある筋肉です。
肩の関節は上腕骨、肩甲骨、鎖骨からなっており、鎖骨の端が胸骨についている以外は全体を動かすことができます。肩の関節が肩甲骨を中心として肋骨の上をすべるように動くので、一番負担のかかる肩甲骨の周りの筋肉が疲労を起こしやすいのです。肩甲骨の内側の上の方の筋肉が疲労してかたく緊張し、血行不良になると疲労が筋肉中に溜まります。この結果、こりや痛みが起こります。しかも、こりや痛みのあるせいで肩を動かさなくなったり、姿勢が悪くなったりすることで、さらに血のめぐりが悪くなり疲労がますます溜まってきます。
肩の関節そのものに異常がなく、頚椎にも異常がなければ、肩甲骨をよく動かすことが治療と予防になります。手のひらを肩関節の上において、肘を大きく回してください。肩甲骨がよく動いているのを実感して下さい。この運動を毎日20~30回ずつ行ってください。継続して運動を続ければ必ず肩こりはよくなってきます。
お薬が役に立つことも多いので、1度は専門医を受診してください。