2006年1月
【火曜】 変色した歯のはなし
「真っ白い歯は健康のシンボルだ」とよく言われますが、永久歯や乳歯の色をよく観察しますと、健康な歯であっても完全に真っ白ということはありません。歯の色にも個性がありますし、人種によっても違います。
一般的に永久歯では、表面のエナメル質は白っぽいのですが、その内側にある象牙質が黄色味がかっているので、歯の色も黄色味をおびた白色に見えます。また、乳歯ではエナメル質も象牙質も薄いので表面の色は透明感が強く、青味がかった白い色に見えます。
ところで、歯の色が変化する場合、様々な原因が考えられます。転んだりして乳歯の前歯を強く打った場合、そのときは何ともなくても数カ月後に黒ずんでくることがあります。これは、歯の神経が打撲の衝撃で死んでしまったことによりますが、この場合、歯肉も腫れてくるようであれば、歯科医院で手当てをしてもらって下さい。
また、永久歯の変色ですが、たとえばタバコで歯がタール色に変色した場合のように、原因がはっきりしているケースも歯磨きだけではなかなかとれません。このような時も歯科医院でとってもらうことができます。
それ以外に、治療した歯が知らないうちに変色する場合があります。これには、つめた材料自体の変色によるものと、材料と歯のすきまから腐食していることが原因の場合があり、そのすきまに新しく虫歯が発生していることも多いので、一度、歯科医院で検診してもらいましょう。
最後に、永久歯がはえてきた時点で、すでに変色していることがあります。これは抗生物質などの薬の副作用や、その他の原因でエナメル質や象牙質がうまく出来あがってこないことによります。症状の程度によっては治療できることが多いので、歯科医院でご相談ください。