2006年1月
【月曜】 子どもの発熱
小学校に入るまでの子どもはよく熱を出します。これは、子どものごく普通の発達過程です。小学校に入る頃には、抵抗力、免疫力、総合的な体力がついてきて、ウイルスや細菌などの外敵の侵入をくい止めることができるようになるため、あまり発熱しなくなります。しかし乳幼児では、まだ抵抗力や免疫力が弱く、総合的な体力が十分発達していないため、ウイルスや細菌が一定量以上になったり、気候や環境の変化や疲れなどのために体調が悪くなると、これら外敵が侵入しやすくなり、発熱することが多いのです。
発熱は夜間に多いのですが、熱が高いからといって重い病気という訳ではありません。比較的元気で普段と変わらない時には、慌てる必要はありません。子どもは熱を出すことにより病気とたたかっています。そして、それを乗り越えていくことで成長していきます。体温計の数字だけにとらわれず、子どもの全体の元気のよさをしっかりとみてあげるようにしましょう。
そして、普段から早寝・早起きや薄着を心がけ、外でたくさん遊び、健康な食生活をすることで、熱を出してもすぐに元気になれる強い体を育てていくことが大切です。
しかし、発熱したときに、水分もとれず元気がなく、青い顔をして何度も嘔吐や下痢があったり、ぐったりしていたり、ぜーぜーして呼吸が苦しそうで、特に小鼻がピクピクしているときは危険信号です。すぐに医師に診てもらうようにして下さい。
近頃は、家庭常備薬として解熱剤や頓服薬が普及していますが、安易に乱用することは危険です。病気の経過が変わって診断を誤らせたり、受診のタイミングを失ったりする可能性もあります。解熱剤で熱を下げても、病気が治ったわけではなく、時間がたてばまた上がってきます。解熱剤は、熱が高くて眠れない、水分もとれないときなどの一時しのぎでしかありませんので、医師とよく相談した上で、使いましょう。また、冷却用シートも、それで熱が下がるわけでも、病気がよくなるわけでもありません。本人が気持ちよく過ごせるようであれば、使ってあげるといいでしょう。