2006年2月
【金土日】唇のあれ
「唇のあれ」は色々な原因によって引き起こされます。秋から冬にかけては空気が乾燥して、肌があれる人が増えますが、唇も例外ではありません。エアコン、ストーブを使用中の室内に長い時間いると余計にあれやすいようです。特にアトピー性皮膚炎のある人によくみかけられます。唇が乾くと気持ちが悪いため、無意識に唇を舐めます。そのため唇のあれは、舌の届く口のまわりまで拡がりますが、舐める癖をやめさせると治ります。
また、唇がかぶれてあれる場合があります。女性では口紅やリップクリームなどの化粧品でかぶれる事が多いのですが、子供ではおもちゃ、楽器など思いがけないものにかぶれている事もあります。食べ物では果物のマンゴーなどを食べた後に唇が赤くかぶれる人がいます。
唇の端が割れて、口を大きくあける度に痛くなる事がありますが、これを口角炎(こうかくえん)といいます。保湿のためのクリームをしばらくつけると治りますが、時になかなか治らない場合があります。子供では唇の割れた場所にブドウ球菌という細菌が感染して治りにくくなっていることがあります。老人や糖尿病のある人では口の端に白い付着物がつくことがありますが、これはカンジダというカビの一種です。また最初に唇の一部に小さい水ぶくれができ、その後がかさぶたになって治りにくい場合がありますが、これはヘルぺスウイルスによるもので抗ウイルス剤の内服、外用が必要になります。
おもに下くちびるに多い症状ですが、やっかいな病気のこともあります。何回も皮がむける、すぐに出血する、厚いかさぶたをつける、一部が硬くなって盛り上がってくるなどの症状がでれば、単なる唇のあれではありません。唇のあれが長引くようでしたら早めに皮膚科医に相談してください。