2006年2月
【水曜】 狭心症と心筋梗塞
心臓に酸素や栄養を送る動脈で、心臓の周りを取り巻いている動脈を冠動脈と言います。その冠動脈が何らかの原因で血管が狭くなり、血液の流れが悪くなって、胸に痛みを起こさせる病気が狭心症です。一方、冠動脈が完全に詰まって血液が流れなくなり、心臓の筋肉が機能しなくなる状態が心筋梗塞です。
狭心症の中で、初めての胸痛発作から1カ月以内を不安定狭心症と呼び、突然死や心筋梗塞に移行する危険が高く、特に注意を要します。
狭心症や心筋梗塞の症状は、胸の痛みだけではなく、時には奥歯や肩、みぞおちの痛みであらわれることもあります。虫歯や胃の病気と勘違いされて見逃す危険性があるので、すぐに医療機関を訪れることが重要です。心筋梗塞を起こした場合は、どれだけ早く治療を開始できるかが生死の分かれ目になります。発作から治療開始の時間が短い程、救命率があがるので、痛みを訴えてしばらく様子をみるのでなく、できるだけ早く診断してもらうことが必要です。
心筋梗塞の症状は、ちょっとした軽い痛みから重いものまで様々です。時には痛みがなく、いつもと比べて気分が悪いという症状だけの場合もあります。痛みの伴わない心筋梗塞は糖尿病の方に多く、そのため、糖尿病の方は、しばしば心電図などの心臓の検査を受けられる事を勧めます。
心筋梗塞は、死亡率の高い病気なので、その前の段階である狭心症の状態で診断を受け、治療していくことが重要です。具体的な診断方法には、負荷心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査などがあります。これらは、診療所ですぐにできる検査です。
また、心臓カテ-テル検査なども役に立ちます。これは動脈の中にカテ-テルという管を通して、血管が狭くなり詰まりかけているところがないかを調べる検査です。
そして、狭心症と診断され、比較的血管の狭窄が軽い場合は、薬物療法を行います。狭窄が進んでいる場合は、バルーンと呼ばれる風船のようなものを入れて膨らませたり、拡げた血管にコイル状の金属を埋め込む場合もあります。
このように、速やかに検査を受け、正確な診断をし、予防的に治療していくことが重要です。一度起きた症状を見逃さず、すぐに医療機関を受診することが大事です。