兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年2月

【月曜】 高齢者の婦人病

 ご高齢者が婦人科を受診する主な理由は、「おりもの」や「出血」、そして「かゆみ」です。ほとんどの場合、ホルモン不足によって起こる萎縮性膣炎や皮膚の脂が減っておこる外陰炎が原因です。しかし、まれに子宮癌が原因で出血やおりものが見られることがありますので、膣分泌物の細菌検査と共に子宮癌の検査をお勧めします。子宮癌には子宮の入り口にできる頚癌と子宮内膜にできる体癌がありますが必要に応じて細胞の検査をします。
 萎縮性膣炎の治療は、ホルモンの補充を行います。注射なら1回だけ、飲み薬なら5日間程度で症状は改善します。但し、乳癌などホルモン依存性の腫瘍の既往のある方には使用できません。その場合は抗生剤などを使用します。
 外陰部のかゆみは、見えないところですから、つい洗いすぎる傾向にあるようです。ですから、外陰炎では、洗いすぎに注意してください。洗いすぎますと、皮膚の機能が低下して、かゆみが増します。また、きつすぎる下着にも注意が必要です。
 外陰部の異物感で受診される方もあります。子宮や膀胱などが下がってくる子宮脱や膀胱脱がありますので、ひどくならないうちに一度、婦人科を受診してください。
 その他では、更年期障害のような訴えで受診される方もあります。更年期の頃はなんともなく経過したけれど、高齢になってから、「眠れない」「何もする気が起こらない」「疲れやすい」などと訴える方もいらっしゃいます。「老年期障害」ともいえますが、生活環境の変化で起こることもあり、いろいろ事情を聞いているうちに原因を発見することもあります。薬もいらずに改善した例もありますので、是非、婦人科医にご相談ください。
 「もう、この歳になったら婦人科は卒業!!」と言う声をよく聞きます。女性は死ぬまで「婦人科」と縁が切れません。健康に関することは、何でも、まず、婦人科医にご相談されることをお勧めします。

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