兵庫県保険医協会

　勃起不全（ＥＤ）には、様々な原因が考えられます。まず、性欲はあるし、朝立ちもするのにセックスの時に十分に勃起しない方は、心理的な問題が原因となっています。このような場合は「自分はセックスができる」という自己暗示をかけ続ければ、やがてセックスができるようになります。マスターベーションなどでトレーニングをして下さい。相手の女性に「あなた、駄目ね」と言われたことや、自分で勝手に駄目だと思いこんでいる場合が多いようです。
　次に、性欲はありますが、朝立ちもなく、マスターベーションをしても勃起しない方は、神経の障害が考えられます。糖尿病や椎間板ヘルニアなどでペニスの神経が障害されて勃起しなくなっているものです。原因を取り除けば再び勃起する可能性はありますが、手遅れになってしまう場合もありますので、できるだけ早く泌尿器科の専門医を受診して下さい。
　また、性欲もあまりなく、マスターベーションでは射精ができますが、女性とのセックスでは途中でペニスが勃起しなくなる方は、男性ホルモンの低下が考えられます。最近では、男性の更年期も言われており、男性ホルモンが低下することにより、様々な症状があらわれることがあります。40～60歳ぐらいで疲労感、うつ状態などにともなうＥＤの症状がある方は、この男性更年期の可能性があります。
　治療としては、性腺（せいせん）を刺激するホルモンの分泌を促す薬を服用します。最近話題のバイアグラは、勃起を抑制する酵素の働きを抑えることで容易に勃起できるようになる薬です。
　年だからもうだめだとか、自分で不能者だと決めつけないで、とにかく恥ずかしがらずに早めに泌尿器科の専門医を受診して下さい。