2006年3月
【水曜】 脳血管障害にならないために
一般に脳卒中と呼ばれる脳血管障害は、大きく2つに分けられます。脳の血管が破れて起こる脳出血と、脳の血管がつまって起こる脳梗塞です。脳出血の代表としては、高血圧性脳出血とクモ膜下出血があり、血管のつまるものとして脳梗塞があります。
脳卒中には、いくつかの危険因子があります。代表的なものが高血圧です。高血圧を治療せずに放置しておくと、急激な血圧上昇が引き金となって脳出血を発病する危険性が大きくなります。血圧の高い方はかかりつけ医と相談した上で、ご自宅でも定期的な血圧測定の習慣をつけるようにしましょう。
その他血管を傷つける危険因子として、糖尿病、高脂血症、アルコール摂取や喫煙習慣、そして肥満があげられます。これらによって脳卒中になる危険性がより高くなります。
さらに、心臓に病気のある方は要注意です。例えば心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈があると心臓の内部で血栓が形成されやすく、ある時その一部が剥がれてしまいます。この小さな血栓が脳の動脈まで流れ、動脈そのものを詰めてしまうと脳梗塞を発病します。
これらの危険因子をお持ちの方は、かかりつけの医師に相談して、適切な治療を受けましょう。危険因子を早期に発見し治療しておくことが、脳血管障害の発病を防ぐ第一歩といっても過言ではありません。
あまり知られていませんが、脳への血液の流れが、一時的に遮断したり低下することによって現れる病気である一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)も大変重要です。言葉が話しにくい、ものが見えにくい、あるいは手足が動きにくいなどの症状が出現し、たいていはしばらく経つと跡形なく消えてしまいます。
大切なことは、この一過性脳虚血発作がその後に脳梗塞を起こす危険性がかなり高いことです。入院を要することもあり、CTやMRI検査をする必要があります。かかりつけ医に相談して、脳卒中専門医を紹介してもらいましょう。