兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2006年6月

【月曜】 視力低下が起こったら

 目の構造は、よくカメラの構造にたとえられます。カメラの場合は、フィルター、シボリを通ってきた光がレンズで曲げられ、フィルムに像を結びます。そしてフィルムに写った像を紙に焼き付けて見るわけです。人の目から入った光は、くろ目の部分である角膜から瞳孔を通過して、水晶体で曲げられ、眼球の中の壁にあたる網膜の中心部に像を結びます。カメラに例えると、角膜はフィルター、水晶体はレンズ、網膜はフィルムにあたります。瞳孔はシボリにあたるところで、明るいと小さく縮み、夜や暗いところでは大きくなって目の中に入る光の量を加減します。カメラと異なるのは、網膜に写った映像は、視神経を伝わり大脳に送られ、そこで像としてとらえます。
 視力低下が起こった場合は、大きく分けて3つの場合が考えられます。1番目は、先ほど述べた光の通る途中に何らかの障害が発生した場合です。例えば、角膜の病気、水晶体が濁る白内障、糖尿病や高血圧などが原因で眼底に出血が起こったとき、網膜の中心部が傷む黄斑部変性症(おうはんぶへんせいしょう)などです。2番目は、光の屈折がうまくいかず、網膜上に像を結ばない場合です。近視や乱視、遠視といった場合がこれにあたります。メガネやコンタクトレンズで調節しますが、作る時は、先ほど述べた病気の初期状態が見逃されている危険がありますので眼科で処方してもらう方が良いでしょう。3番目は視神経から脳の間や脳自体に病気がおこった場合です。この場合は視力低下と共に見える範囲狭くなる症状がでる事もあります。疾患の原因や場所により、眼科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、いずれかで治療することとなります。
 このようにひとくちに視力低下といっても、様々な原因で起こってくるわけですから、まず、眼科専門医を受診し、検査を受けた上で、納得のいく治療を受けるようにして下さい。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。