兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2006年7月

【金土日】薬物乱用・薬物依存症

 近年、薬物に対する恐怖感が薄れ、青少年の薬物乱用が深刻な社会問題となっています。WHOでも6月に薬物乱用防止の国際会議が開かれています。薬物乱用をしない、あるいはさせないためにも、私たち一人一人が薬物乱用の恐ろしさを知り、薬物乱用を絶対に許さない社会をつくることが重要です。
 薬物乱用の最も恐ろしい特徴は、何度でも繰り返して使いたくなる「依存性」をもっていることです。一度だけと思って手を出した人も、薬物の「依存性」により自分の意思で薬物使用のコントロールができなくなり、自力ではやめることができなくなります。そして、何度も繰り返して乱用するという悪循環に陥り、精神や身体がむしばまれていくのです。
 薬物に手を出すことは、犯罪に加担していることにもつながります。また、薬物欲しさによる犯罪が増加したり、薬物の作用で交通事故を起こしたりするなど、家族や社会にもさまざまな悪影響を及ぼすのです。
 薬物依存症は「病気」です。薬物依存という病気であり、まずは自力では治せないということに気づくことです。薬物依存という病気について学ぶことにより、本人の回復を助けることになります。世間一般で言う愛情では絶対に治りません。本人に対して、良かれと思ってきてやってきた事、あるいは親の愛情がどんなに強くても、すべて裏目に出て逆の結果を生み出したりもします。
 薬物依存から立ち直るには、専門の相談機関や医療機関に早めに相談することが重要です。
 そして、本人は本人、家族は家族の治療プログラムを実行することで、家族の考え方を変え、そして本人も変わることが、この病気から開放される唯一の方法です。
 薬物依存に気づいたら、ご家族の早めの相談を心がけてください。精神科医療機関、精神保健福祉センター、民間の相談機関であるダルク(DRC)などに直接相談してください。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。