兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年8月

【金土日】爪に入った水虫

 水虫はカビの一種である「白癬菌(はくせんきん)」が原因で起こります。
 「白癬菌」はケラチンと呼ばれるタンパク質が大好物で、ケラチンを多く含む皮膚の角層や爪などに入り込みます。白癬菌は、皮膚や爪を溶かす酵素を持っているので、足の水虫を長年放置していると、この白癬菌が足から爪に入り込んでいくことが多くみられます。この爪に入った水虫を「爪白癬」といいます。
 爪そのもにはかゆみなどの自覚症状はありませんが、爪が白く濁ったり、爪がぼろぼろ崩れたり、爪が切れないほど分厚く変形したりします。通常、年と共に爪が変形することはありますが、濁ったり厚くなることはありません。この爪白癬をそのまま放置すると白癬菌が爪から再び足にうつったり、さらにバスマットやスリッパに落ちた皮膚や爪の一部が他人の皮膚について、家族や周囲の人にうつすことがよくあります。
 爪白癬の治療は、塗り薬だけでは、爪の奥にまで薬の効果が届きにくくあまり治療効果が期待できません。しかし最近では、白癬菌を殺す働きをもつ新しい飲み薬が登場し、爪の内側から治していくことができるようになりました。この飲み薬による治療でほぼ完治します。飲み薬を服用する場合は、医療機関で定期的に血液検査を行い、肝機能に異常がないことを確認しながら治療をすすめていきます。現在、この治療薬には3種類があります。1つはパルス療法という方法で1日2回、1週間だけ服用して3週間は薬は服用せず、この方法を3ヶ月繰り返しますが、この方法では合計3万円程度費用がかかります。また、毎日1錠だけ飲む薬は6ヶ月位は必要で、この方法だと合計2万円程度、もう1種類の薬だと費用はかなり低く済みますが、治療までに2~3年かかります。どの薬を選ぶかは他に飲んでいる薬との飲み合わせも考える必要があります。いずれにせよ、治療を始めてから完全にきれいな爪が生えかわるのに足の爪では1年あまりかかりますので、根気よく治療を続けていくことが大切です。
 「もしかして爪白癬?」と思ったら、すぐに皮膚科専門医を受診して、治療を開始しましょう。

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