2006年8月
【火曜】 丈夫な歯から健康づくり
その差12.5本。これは何の数字かおわかりでしょうか?
ある歯科医院で定期健診を受けてきた人と、痛みがある時にだけ歯科医院にかかる人が75才になった時点で抜いてしまった歯の本数の差です。人の歯は、親知らずを除いて28本ありますので、抜いた歯の数に12.5本もの差があったという調査結果は驚きです。 また、同じように12才の子どもの虫歯でも、定期健診を受けてきた子どもが1人平均1.2本に比べ、そうでない子どもには5.5本もの虫歯ができていたという結果もあります。
現代の日本人のほとんどは、虫歯や歯周病で困ったことがあるでしょう。先進国の中でも、日本は虫歯や歯周病が多い国です。厚生労働省は、健康で生き生きと長生きができて、生活習慣病にならないために、『健康日本21』を提唱し、「健康づくり」を呼びかけています。
「虫歯の1本ぐらい」とか「ぐらぐらしている歯があるけれど痛みがないから」といってそのままにしていませんか?虫歯や歯周病も生活習慣病の一つで、痛みなどがなくても徐々に悪くなっていきます。全国統計では、残っている歯が20本以下となるのは60歳代後半で、気が付いたら何本もの歯を失っていた、というのが現状です。
年老いても自分の歯で、おいしいものをしっかり噛んで食べたいと思いませんか?
自分の歯を20本以上残して食べ物をしっかり噛むことができれば、ガンや脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病にもなりにくいのです。
では、どうすれば丈夫な歯を残せるのでしょうか?まず、食生活の改善です。子どもは砂糖を取り過ぎています。特に量よりも回数が多くならないようにすることが大切です。3度の食事をきちんと摂り、やわらかくし過ぎないようにしましょう。
つまり、体全体の健康づくりと、お口の中の健康づくりは同じです。そのうえで、セルフケアとしての正しい歯磨きと、歯科医院での定期的な検診や歯石除去などによって丈夫な歯を残すことができるのです。
一生健康で元気に、おいしく食べて長生きする秘訣は、生活改善とかかりつけ歯科医院での定期健診です。