2006年9月
【金土日】不眠症と睡眠薬について
現代はストレスの時代であり、成人の5人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えていると言われています。
一口に不眠と言っても、いろいろなタイプがあります。寝床に入ってから1時間以上寝付けない「入眠障害」、睡眠途中で何回も目を覚ます「中途覚醒」、夢ばかり見たり、睡眠時間の割には熟睡感のない「熟眠障害」、明け方に目が覚めて、そのまま朝まで眠れない「早朝覚醒」などがあります。
不眠症は、まずその原因を取り除くことが重要です。夜更かしや深夜勤務など生活のリズムの乱れ、音・光・温度・湿度などの外的要因、痛み・痒み・咳・尿意などの身体的要因、心配事・ストレス・ショックなどの精神的要因などがないかをチェックし、あればそれを取り除くことが大切です。
不眠症の治療のひとつとして、睡眠薬が使われています。ほとんどは副作用が少なく、安全性が高いものです。睡眠薬は、不眠のタイプに応じて使い分けます。寝付きの悪いタイプには、効き目が早く短時間だけ効果を持つものを使います。途中で何回も目を覚ますタイプ、熟睡感の無いタイプや朝早く目覚めるタイプには、効果が持続する睡眠薬を使います。医師の診察を受け、自分に適した睡眠薬を処方してもらいましょう。
眠れるようになると、漫然と睡眠薬の服用を続けるのでなく、医師の指導のもとに、時間をかけて薬の量を減らしていくことが大切です。急に中止すると、強い不眠や発汗・動悸・不安などの症状が出ることもあります。
睡眠薬の副作用としては、昼間の眠気、ふらつき、注意力の低下などがあります。危険な仕事や車の運転には、注意が必要です。アルコールを飲む方の場合、睡眠薬の作用が強くなり、もの忘れなどの症状が出ることがあります。また、筋肉がゆるんでしまう作用があるので、特に高齢者の場合、転倒にも注意が必要です。