兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年9月

【木曜】 大腸癌の早期発見

 食生活の欧米化、ストレスの増加に伴ない大腸癌が増加しています。そのためストレス社会を生きる現代人にとって、大腸癌の早期発見は大変重要です。いかにその早期症状に気づくかが人生を大きく左右します。
 大腸癌の症状で多いのが出血です。排便時、便に混じって血液が付いていたり、お尻を拭いたときに紙に血液が付いたりします。血液は粘液混じりであったり、ノリの佃煮のように黒かったり、真っ赤なサラサラしたものであったり様々です。痔を持っている方はすぐ「また、痔かな?」と決めつけますが、これは大変危険です。排便の際、出血に気づいたら医師に相談し、必ずどこから出血しているのか確認してもらってください。
 また、40歳を過ぎると市の検診事業として便を採取して血液が混じっているかどうかを調べることが出来ます。この方法で、目に見えない出血もとらえることができます。少なくとも年に一回は検診を受け、大腸からの出血の有無を確認してください。
 出血ばかりではなく腹痛や食欲低下、頑固な便秘、下痢と便秘をくり返すなどの症状で大腸癌が見つかる事があります。これらの症状が続く場合も医師に相談してください。
 医師が大腸癌を疑ったとき、現在、二つの検査が行われます。それは注腸とファイバースコープです。注腸はバリウムをお尻から入れてレントゲンで大腸を写します。この検査は、あまり痛くありません。しかし、稀ですが見落としが生じます。ファイバースコープは、見落としは少ないのですが、患者さんの苦痛が少々あります。しかし、その技術は日進月歩であり苦痛も少なくなっています。
 大腸癌は、その範囲が表面にとどまる場合に早期癌と定義し、治癒率は極めて良好です。現在、早期大腸癌の治療はファイバースコープによる摘出除去が中心に行われ、手術は少なくなってきています。早期に発見すれば怖くはありません。少なくとも年に一回は、前に述べた検査を受けることをおすすめします。

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