兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年11月

【木曜】 尿潜血陽性といわれたら

 腎臓から尿道までのどこかで出血し、その血液が混じった尿を血尿といいます。尿潜血反応とは、トマトジュースや、赤ワインのように明らかに赤く目で見てわかる肉眼的血尿以外のごく小さな血尿でも発見できる非常に鋭敏な検査法です。
 尿潜血反応は、一般的に試験紙法によって検査されます。これは、尿中に出てきた赤血球を含む試験紙に触れることによって溶け出した赤血球を感知しています。この反応は、わずかの血液でも陽性となります。また、筋肉の破壊される病気でも陽性となります。
 尿潜血反応が陽性といわれた場合は、尿の沈殿物を顕微鏡でみます。その結果、赤血球が増えていれば、尿路からの出血と確認されます。
 したがって、陽性ではないのに陽性であると判断される偽陽性も多々ありますが、尿路の悪性腫瘍の早期発見にも役立ちます。また、健康飲料やサプリメントによるビタミンCを服用している時には逆に偽陰性もあります。このことは検診前の注意事項として周知すべきことだと思います。
 一般検診の検尿で尿潜血が陽性になるのは女性に多くみられます。この背景には膀胱炎を起こしやすいことと共に、月経の影響があります。女性では一般に月経をはさんだ前3~4日、後5~6日の検尿成績、特に尿潜血反応の信憑性は著しく低下することが知られています。
 昔から採血で怒る人はあっても、尿を採られて怒る人はないといわれていますので、簡単な検査で色々なことがわかります。また尿潜血が陽性となる病気の多くは、これといった症状がみられません。したがって、健康診断などでたまたま見つかることが大半です。腎臓病などでは、以前から健康診断のたびに尿潜血をいわれていのに無症状のため放置していて、気づいたら腎不全で透析をしなくてはならなかったということもありますので、原因がはっきり解らなくても定期的な検診をおすすめします。

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