兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年1月

【金土日】人格障害とは

 最近、小説やテレビドラマ、そしてニュースを通して、ある人の「人格」や「性格」、そしてそれらを取り巻く環境や社会に目を向ける機会が多くなってきました。今回はこの「人格」についてお話しします。
 「人格」とは知能、感情、意志などのそれぞれの側面を合わせ持った人としての特性のことで、生まれたその瞬問から、様々な要素によって形作られていきます。つまり、成長の過程でその人が接した環境とか人々や社会的な背景が人格の形成に極めて大きな影響を及ぼすのです。いいかえると、「人格」とは、その人が生きた環境や社会を色濃く映し出した「鏡」だといえるのかも知れません。その意味で、社会の「鏡」である「人格」がゆがんだり曇ったりした場合には、それを、もっぱら個人的な問題と捉えるのではなくて、社会全体の問題としてとらえることも必要です。
 最近よく耳にする「人格障害」とは、著しく偏った感情や行動が、長期に持続する障害のことです。しかし多くの場合、障害の特性を問題にするというよりは、人格障害を持った方の問題性や社会的不利益を強調しているようです。
 では、「人格障害」の問題点は何処にあるのでしょうか?
 障害を持った方は、自らの感情や欲望、それによる行動や対人関係がうまくコントロールできず、社会で生活することが非常に苦痛だと自覚しています。時としてそれらの苦痛が大きくなって、抑うつ的、衝動的、爆発的となり、結果として自殺など自らを傷つける行為や暴力などへと至ることがあるのです。この人達の多くは、その「人格」から、他人が関わることやサポートに対して強い抵抗感や嫌悪感を示すことが多いためにその人との関係づくりが困難なことも、特徴の一つです。そのために、専門家による理解と関わりが必要なのです。
 病い全てに共通する「早期発見・早期回復」は、この「人格障害」の病いにも当てはまります。まずは、障害を理解し、できるだけ早期の関わりやサポート、精神科専門医による治療としてのアプローチが望まれます。そして、何よりも新たな「人格障害」を作り出さない社会と環境作りを目指す必要があります。

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