2007年2月
【火曜】 歯ぐきが腫れたとき
歯科医院に来られる患者さんの多くは「歯が痛みます」「歯ぐきが腫れて痛みます」と言って、来られます。「歯ぐきが腫れています」と言われる患者さんの口の中を診ると「なぜここまで放置していたのかな」と思う患者さんがいるかと思えば、何ともない健康な患者さんもいます。放置した患者さんは「痛くなかったから」と言いますし、健康だった患者さんは「腫れていると思ったから」と言われます。どちらの患者さんも、普段ほとんど自分の口の中を見ていないのが共通しています。
歯ぐきの異常の発見は普段の歯ぐきを知ることから始まります。歯ぐきのチェックには次の4つのポイントがあります。
1つめは、歯ぐきの色の観察です。普段より赤いと炎症がある可能性があります。その時、歯と歯ぐきの間から黄色い液状のものが出ている場合は歯周病の疑いがあります。
2つめは、歯ぐきの表面は普段よりつるつるしていませんか。本来の歯ぐきはミカンの皮のような小さな凸凹があります。腫れていると凸凹が消えてつるつるとした表面になります。
3つめは、歯と歯の間の歯ぐきが丸くなっていませんか。健康な歯ぐきはしまっていて鋭利な感じがし、歯と歯の隙間はしっかり空いて見えます。不健康な状態だと歯と歯の間が腫れた歯ぐきで詰まっていることもあります。
4つめは、腫れた歯ぐきを押してみましょう。痛みがありますか。柔らかいでしょうか。硬いでしょうか。柔らかく歯も動いているようでしたら、歯周病と思って良いでしょう。押しても痛くなく硬い歯ぐきの人は骨自体が膨らんでいる場合があります。一種の変形で処置の必要な病気ではありません。
以上のことで少しでも気になることがあれば、歯科医院でチェックしてもらいましょう。
このほか、周りが赤く小判型に白くへこむアフタと呼ばれる口内炎や、自分自身でブラシなどで傷つけて痛み腫れたように感じる場合もあります。口のチェックは健康への第一歩です。自分の口の中に関心を持ち、健康状態の維持に心掛け、おかしいと感じたら歯科医院でチェックしてもらいましょう。