2007年3月
【火曜】 乳歯の大切さ
乳歯は、一生涯使う永久歯へと交代する大切な役割をする歯です。
そのうち永久歯に生え変わるのだからと、乳歯の虫歯などをそのままにしておいてはいけません。乳歯と永久歯の交代は、一般成人の歯にはない特異的な現象です。ですからその管理は、お母さんなどの保護者にとって重要なものの一つです。乳歯の処置が、次に生えてくる永久歯に何らかの影響を与えるようであれば、本来の目的は果せなくなってしまうからです。健全な永久歯を育て、守ることが、最終的な目標です。
乳幼児の口の周りの機能は、成人と比較すると、成長発育の過程にあたるため、かなり劣っています。また、口の中全体としての自浄作用は、貧弱なものです。そのため、一本だけ虫歯になることはなく、左右対称的にできるか、上下同じ側に虫歯ができる場合が多いのです。もし一本の虫歯を発見したら、他の部分も見落さないように、口の中全体を注意して見てください。
乳歯に虫歯があると、食物を充分に噛み砕くことができず、栄養摂取に支障をきたす恐れがあります。また、虫歯などの原因で、充分に咀しゃくが行われないと、あごや顔の均整の取れた発育が阻害されることがあります。さらに、ひどい虫歯の乳歯を放っておくと、根っこの先まで病変がおよび、その下にある永久歯の形成がじゃまされて、表面がもろい永久歯になってしまうこともあります。
乳歯で最も大切なことは、初期の虫歯を見逃すことなく、適切な処置をして、神経の治療が必要になる前に手を打つことです。
口の中の状態の改善は、保護者の日常生活の中での、乳歯への細かい観察、食生活・歯みがきなどを含めた生活習慣を改めることが大切です。