2007年4月
【木曜】 陰部のイボ
陰部のイボも、手やひざなどにできる普通のイボと同じウィルスの感染によっておこります。ただ、陰部は湿り気が多く、普通の半球状のイボとは違った形となるため、医学的には「尖圭(せんけい)コンジローム」と呼んでいます。
感染した初期は、やわらかい米粒くらいの大きさで「薄い桃色」をしたブツブツが1個から5~6個出来てきます。時間がたつにしたがって段々と数が増え、大きくなってきます。表面は、かえるのたまごのようなカリフラワー状で、褐色のイボとなります。さらに、イソギンチャクの様な状態になってくると、そこに細菌が感染して、悪臭を放つこともあります。自覚症状はほとんどありませんが、かゆみやヒリヒリする感じがあったり、ほてったり、セックスする時に痛みを感じる場合もあります。
性別や年齢に感染率の差はなく、股の間、肛門にかけて、時には膣の中や尿の出口にまで出来ることがあります。セックスによる感染がほとんどですが、よく似たものに、癌や梅毒によるものもありますので、早めに医師の診察を受けて下さい。
検査は、皮膚組織を取って顕微鏡で調べることもあります。また、時には「扁平コンジローム」と呼ばれる梅毒の時にできるイボ状の発疹と似ているので、血液検査で梅毒ではない事を確認する事も行なっています。
治療は、小さくて少数なら軟膏を塗ったり、液体窒素で凍らせたりすることもあります。また、炭酸ガスレーザーや電気メスで焼き切ったりしますが、再発することが多いので、注意が必要です。
汗や「おりもの」で湿って、不潔になりやすい場所ですから、予防としてはよく洗って清潔に心掛け、汗をかいた時は下着をかえて乾燥させておくことが大切です。
また、感染を予防するためにも、セックスの時は必ずコンドームを使うようにしましょう。