2007年5月
【金土日】うつ病について
現在、多くの人が、複数のストレスを抱えており、誰もが「うつ病」と無関係とはいえません。このように、私たちは、「うつ病」にかかりやすいストレス社会で暮らしています。
しかし、その中でも、「うつ病」になりやすい人の性格には、特徴があります。その性格とは、真面目で仕事熱心、完全主義で几帳面、融通がきかない、人からどうのように見られているのか気になるなどです。
「うつ病」になるきっかけとして、結婚、出産、転校、就職、受験、昇進などの環境の変化や、子供の結婚・独立、更年期、失業、退職などがあげられます。
「うつ病」の症状として、食べてもおいしくないといった食欲の低下や、これとは逆に食べ過ぎるという過食も見られます。朝早くから目が覚める、途中で何度も目が覚めるといった不眠、また不眠とは逆に、寝すぎてしまう、集中力の低下、気力の低下、絶望感などがあげられます。うつ病の症状は、精神面だけでなく、全身に現れます。うつ病は心の不調が体に表れやすい病気です。たとえば、頭痛や全身にひどいだるさを感じ、重い病気にかかってしまったと思うこともよくあります。冷え、のぼせ、ほてり、動悸、胸部圧迫感など、さまざまな症状を伴うこともあります。体の不調を自覚しながら、いろいろな検査を受けても何の異常もない時は、うつ病の可能性が高いと言えます。
適切な治療を受ければ、うつ病はそれほど大変な病気ではありません。抗うつ薬を中心とした治療で、8割以上の人が、数週間で回復していきます。ただ、現在、問題となっているのは、実際にはうつ病の人の半分以上が適切な治療を受けていないことです。その理由はいろいろあります。うつ病になりやすい人は、真面目で責任感の強い人が多く、自分の問題は自分で解決しようという傾向が強いこともそのひとつです。また、周囲の人も、心の問題は医療の対象ではないと考えがちです。こうしたことのために、治療が遅れたり、まったく治療されなかったりということが起こるのです。
適切な治療すれば治りますが、最悪の場合、自殺に発展する病気です。状態が改善しないときは、早めに医療機関を受診してください。