兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年9月

【火曜】 入れ歯の調整と入れ歯安定剤の話

 歯科医院では患者さんの入れ歯を作る時、患者さんに合った型枠で型をとります。そうすることで患者さんにあった入れ歯が出来あがります。さらに、歯茎と入れ歯との隙間には唾液が入り込み、ちょうど濡らした下敷きを二枚引っ付けたようになるので、隙間はほとんどありません。
 でもぴったり過ぎて、痛かったり逆に外れやすかったりします。それは型を採ったときに筋肉の動きまでは再現できていないからです。ですから入れ歯の本当のできあがりは、患者さんに入れ歯を入れた後の調整が出来た時点で、はじめて完成したといえます。また入れ歯の下の歯茎のさらに下には、骨があります。その骨には細かい凸凹(でこぼこ)や尖がったところがあったりして、入れ歯の下で骨と挟まれた格好になる歯茎は痛くなるので、当然調整が必要となります。
 ちょうど川原などの凸凹したところに、布団を敷いて寝たときのようにからだが痛くなるのを想像すれば、分かっていただけると思います。
 このようにして作った入れ歯ですから、新しい入れ歯と歯茎の間には、いわゆる入れ歯安定剤がはいる隙間はないはずです。でも、入れ歯も古くなると自然と骨が痩せてきますので、隙間が出来て入れ歯が動きやすくなったりします。
 そんなときは、歯科医院にすぐに行ってもらいたいのですが、一般的には入れ歯安定剤を使用することが多いようです。話すことの多い職業の方や運動をされる方など入れ歯安定剤の有効な使用も考えられますが、間違った入れ歯安定剤の使用でとり返しのつかない状態になることがあります。例えば、粘土状の厚みのある安定剤を長期間使用したために、顎(あご)の骨自体が変形してしまった人や、入れ歯を支えている歯に異常に力がかかり、ぐらぐらにしてしまった人もいます。また、合わない入れ歯は、その原因が歯ぐきにあるのに、結果的に病気を放置してしまいかねません。
 餅は餅屋というたとえ話もありますが、入れ歯のことはぜひ歯科医師に相談して下さい。

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