2007年10月
【金土日】精神科・神経科への気軽なかかり方
最近では、うつ病をはじめメンタルヘルスケアについての報道を日常的に見聞するようになりましたが、精神科・神経科への偏見や誤解はまだ残っているのかも判りません。
社会変動とともに、ストレス社会を反映して、気分が落ち込む、身体がだるい、意欲がない、眠れないなどの症状をお持ちの方や、家族の誰かがアルコール依存症であるとか、不登校やひきこもりなどの問題でお困りの方もたくさんおられます。こういう時に一人で悩まないで、専門家に相談して早く治療を受けることが大切です。
ところが、精神科・神経科に抵抗がある方もまだおられます。心の病では遺伝的要素が強いと信じている方がまだ時々いますが、最近では、物事の考え方や捉え方、あるいは睡眠や食べ物のような生活習慣などが影響している面も多いと考えられてきています。
精神科・神経科の名称が、心療内科、ストレス科、メンタルヘルス科などと変化してきていますが、これは心の問題が、医療の場で緩やかに取り扱われる方向へと変化してきているためだと言えます。
さて、心の病をもっと身近に理解していただくためのお話をしましょう。
人は誰でも悩みやストレスがあると眠れなくもなります。食欲も進まなくなります。この状態を「心の風邪ひき状態」と考えてみてください。すると、皆が誰でも年に一度や二度、心の風邪に罹っているのではないでしょうか? 昔から、風邪は万病の基と言います。というより、重大な心の病も、初めは心の風邪症状であることが多いのです。つまり、心の風邪症状のうちに専門家を受診することが早期発見・早期治療なのです。こう考えると、心の病も身近なものになって、精神科・神経科を気軽に受診することでしょう。
精神科・神経科受診に抵抗がある方は、まず家族の方か知人に受診してもらい、精神科・神経科の状況をよく知ってから誰かと同伴で受診されることをお薦めします。専門医が相談に応じ、適切なアドバイスをしてくれます。かかりつけ医や保健所などで専門医を紹介してもらうのもいいでしょう。
最後に、精神的な疾患の治療には、まず休養、特に睡眠を十分にとることが大切であることを覚えていてください。