2008年1月
【火曜】 歯ぎしり
夜寝ているときに聞こえる「キリッキリッ」という嫌な音。あまりいい感じがしません。場合によってはいびきよりも耳障りなこともあります。
歯ぎしりはブラキシズムといって医学的に3つに分類されています。
第1は「グラインディング」といって、上下の歯を「ギシギシ」とこする状態で、一般的に歯ぎしりと言われるものです。就寝時におこるのがほとんどで、周りの人に迷惑をかけるのがこのタイプです。
第2は「タッピング」といって、上下の歯を「カチカチ」と噛みあわせる歯ぎしりです。タッピングは歯ぎしりの中では少ないタイプです。
第3は「クレンチング」といって、上下の歯を食いしばる状態です。音が出ないため歯ぎしりと思われることが少ないのですが、昼間でもおこる事が多いものです。これを夜間だけでなく昼間もしている場合は非常に悪影響が大きく、歯周病や顎関節症、虫歯を悪化させる原因となります。
歯ぎしりの原因は様々で、現在のところ明らかではありません。噛み合わせや、親知らず、ストレスなど精神的なものも原因であると言われています。
治療法は対症療法が中心で、一番オーソドックスなものとして歯にかぶせるマウスガードという装具があります。歯ぎしりによって、歯が削られたり、欠けたり、折れたり、歯周病や虫歯を進行させたり、顎関節症の原因となったり悪化させたりと、実に様々な悪影響があります。マウスガードでこれらの悪影響を防止することができます。ただ就寝時の装着には違和感を感じ、慣れるまで苦労される方もいます。マウスガードを装着しても歯ぎしり自体がなくならないこともありますが、歯ぎしりの音は軽減され、歯ぎしりによる歯の磨耗もなくなります。
またマウスガードを装着することで歯ぎしり自体がなくなってしまった方は、その後マウスガードは不用ですが、マウスガードをして寝ると、朝起きた時に顎の調子がいいとか、顎がだるくないと言われる方には引き続き使っていただく場合もあります。
歯ぎしりでお困りの方、朝起きると顎のだるい方、歯が歯ぎしりですり減ってきている方は、ぜひ一度かかりつけの歯医者さんにご相談されることをおすすめします。