兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年2月

【金土日】最近の床(とこ)ずれの治療について

じょくそう(床ずれ)は、長い間同じ姿勢を取らなければならない寝たきりや神経麻痺の患者さんにとって注意しなければいけない病気です。痛みや治療の手間だけでなく、細菌感染を起せば高熱が出たり、ひいては命に関ることがあるからです。しかし床ずれは気をつければ予防することが可能な病気でもあります。予防するためには、どんな時に起こりやすいかを知っていなければなりません。

 全身の状態としては、まず栄養です。血液中の蛋白質が減ったり貧血があると、床ずれが起こりやすくなります。例えば糖尿病などの基礎疾患の状態が悪いと起こりやすくなります。

 部分的な注意点は、床ずれの起こりやすい部分に無理な圧力が掛かっていないかどうか気をつけてください。本人が自力で動けない場合は、骨の出っ張っているところに力が掛かりすぎないよう気をつけてください。2時間毎の体位変換や、圧力がかからないように心がけます。ベッドを持ち上げる時は、上げすぎると体がずれて皮膚に無理が掛かるので、30度位までがよいと言われています。椅子に腰かける時も、後ろにもたれる姿勢になるので皮膚に斜めにずれる力が加わってしまうため、床ずれができやすくなります。できるだけ腰も膝も直角に曲げて、床に足の裏全体がつくような姿勢をとるようにしましょう。

圧力がかからないようにするには、ウォーターベッドなどのマットレス、クッションなどの器具を活用しましょう。また、重い蒲団は押さえつけて具合が悪いので、できるだけ軽い蒲団に取り替えるか、直接体に圧力がかからない器具などを使ってもよいでしょう。但し、エアーマットでも空気を入れすぎると、かえって力が掛りすぎることもありますから注意しましょう。円座は場所によっては血流を阻害することもあるので避けてください。

 次に皮膚の清潔を心掛けます。失禁をしたときは、その部分をまめに洗うか拭くかして、よく乾燥させ、必要であれば軟膏類を塗ります。入浴はとても大事です。

体位変換をして力が掛からなくなって30分以上経っても、まだ赤みの消えない部分ができたら床ずれの初期ですから、マッサージなどは絶対にしないで、専門の医師か看護師にご相談ください。

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