2008年2月
【木曜】 膵臓癌の早期発見と治療
膵臓癌は癌の中でも特に治りが悪いため、早期発見が非常に大切になります。
症状は、みぞおちからお臍付近の痛みや背中の痛み、黄疸などですが、かなり進行しないと症状が出ません。初期の症状は、おなかの張った感じや食欲不振など「何となくおなかの調子が変だ」という程度のこともあります。また、糖尿病や慢性膵炎の方は、膵臓癌を合併する危険性が高くなります。
このような症状や病気をお持ちの方は、まず、消化器科で血液検査や超音波検査を受けましょう。ただし、膵臓はおなかの奥深く、胃の裏側にあるために、おなかに脂肪の多い方は超音波検査でわかりにくいことがあります。そのような場合には、CT検査などもいっしょに受けられた方がよいでしょう。膵臓に腫瘍が見つかっても、癌と決まったわけではありませんので、さらに精密検査を受けて下さい。
治療は、手術で完全に癌を切除するのが唯一の根本的な治療法です。なかなかそのような時期に発見しにくいものです。切除できない場合は、黄疸がある方には胆道バイパス手術を、食べ物の通過障害がある方には消化管バイパス手術を行うことがあります。また黄疸に対しては、超音波や内視鏡を用いて胆汁の流れをよくする処置ができる場合もあります。近年、放射線治療と併用すると効果のある新しい抗がん剤が開発され、治療が試みられています。治療法の選択については、消化器科の医師とよく相談して下さい。
最後に、膵臓癌にならないように、酒やタバコ、肉類の摂取を控えるなど、日常生活にも注意をしましょう。