2008年4月
【金土日】全般性不安障害って何?
以前は「不安神経症」という病名がありましたが、現在ではあまり用いられず、「不安障害」の1つである「全般性不安障害」が最も近いものと考えられています。今日は全般性不安障害についてお話します。
全般性不安障害は、一言で表現すると「いろいろな出来事や日常生活についての、過剰な不安と心配が長期にわたって持続すること」となります。
例えば、主婦が「夫が出張先で事故に逢わないだろうか」とか、「息子や娘の進学や結婚がうまくいくだろうか」といったように、身近な家族の健康や将来について過剰に心配して悩むタイプの人が典型です。そのため、常に何か悪いことが起こるのではないかと、これから起こることの不安を大きく感じることを「予期不安」と言いますが、落ち着かず、集中力に欠け、イライラして、過剰な緊張状態となることが多いようです。身体症状では、発汗や口の渇き、不眠、過呼吸、動悸などを伴うこともあります。
現在の診断基準では、これまで挙げたような障害がおおむね6カ月以上続くと、全般性不安障害と診断されます。
治療としては、精神科や心療内科での精神療法による安全感の獲得と、不安を和らげるための抗不安薬を中心とした薬物療法が有効です。
この障害の方は元来、いわゆる「心配性」であることが多く、1人で自らの予期不安と戦っているのをよく見かけます。適切な医療機関を受診して、1人で悩まないことが大切です。