2008年4月
【月曜】 網膜剥離
網膜はカメラのフィルムに当たる所で、ものを見る重要な部分です。また網膜は、硝子体と言って、カメラのレンズに当たる部分に接しています。この網膜は10個の層に分かれています。外側の層を「網膜色素上皮細胞」、内側の9個の層を「神経網膜」と言います。
この外側の網膜色素上皮細胞と内側の神経網膜は、接着が弱いために、何らかの原因で、外側の網膜細胞が内側の神経網膜から剥がれて、カメラのレンズに当たる硝子体の中に浮き上がってしまうことがあります。これが網膜剥離です。
原因は、神経網膜に穴があく病気です。レンズに当たる硝子体がフィルムに当たる網膜をひっぱって、あいた穴から硝子体の中にある液が網膜内部に入り込みます。
網膜剥離を起こしやすいのは、近視の強い人、網膜に変化のある人、糖尿病の人、さらに眼球に打撲を受けた人などですので、注意が必要です。
網膜剥離が進んで、網膜の中心部にある黄斑部と呼ばれる部分にまで及ぶと、急激に視力低下を起こします。自覚症状としては、黒い点やゴミのようなものが見える「飛蚊症」、目の中でピカピカ光って見える「光視症」、見えるべきものの一部が欠けてしまう「視野欠損」があります。
治療としては、網膜に穴があいた初期であれば、レーザー治療や冷凍治療で穴の周囲を塞いで、硝子体液の浸入を防ぎます。進行した場合は、網膜を元の位置に戻す手術を行ないます。硝子体の出血を伴った網膜剥離には、出血によって濁った硝子体を取り除く手術を行ないます。これらの手術は入院で行ないます。
何らかの自覚症状があれば、ぜひ眼科で眼底検査を受けて、早期発見するようおすすめします。