2008年5月
【木曜】 めまいについて
めまいについてはいろいろ種類がありますが、共通しているのは、体の安定感が急激に失われることです。つまり体の平衡感覚が崩れるわけで、平衡感覚を保つ器官に狂いが生じるとめまいが起こります。
めまいを起こす原因は様々ですが、1回だけの発作であればそれほど心配はいりません。しかし、めまいの他に何か異常がある場合、また、めまいが頻繁に起こるようになったり、ひどくなったり、聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、頭痛がするなどの症状を伴う時は、総合的な検査が必要です。
また、次のような症状が見られた場合は、すぐに救急車を呼んでください。意識障害がある時、手足に麻痺や痙攣がある時、頭や胸などに激しい痛みがある時です。
こうした症状がなければ、しばらく安静にしてください。体と頭を少しずつ動かしながらめまいのしない体位を探して、しばらくじっとしているとよいでしょう。
急に上を向いたり寝返りをうったりした時に、周りが回るようなめまいが起き、じっとしているとめまいが起こらないような時に多い病気は、「良性発作性頭位めまい」といいます。同じように頭を動かした時でも、首を曲げたりひねったりした時にめまいが起こる場合には、頚の動脈である椎骨脳底動脈(すいこつ のうてい どうみゃく)が圧迫されて、血液の循環が悪くなって起こる「椎骨脳底動脈循環不全」が考えられます。急に立ち上がった時に、一瞬ふらっとするめまいは「起立性調節障害」に多くみられます。
めまいを引き起こす誘因を正確に医師に伝えることが、めまいの診断の助けになり適切な治療を受けることにつながります。めまいが起こったときには、症状が残っているうちに耳鼻科の専門医を受診していただくことをおすすめします。