2008年5月
【火曜】 歯が痛いときの応急手当法
急に歯が痛くなってきたとき、困りますよね。とりあえずお手元に、痛み止めの薬があれば、すぐに飲んでください。10分か20分ぐらいで効いてきます。
さて、歯の痛みの応急手当といっても、その原因によって様々です。そのうちの代表的なものをいくつかご紹介します。
第1は、急性歯髄炎(きゅうせいしずいえん)で、歯の神経の病気です。虫歯を長く放っておいた時などによく起こる痛みです。冷たいものや温かいものなど、温度の刺激で痛くなるのが特徴です。拍動痛(はくどうつう)といって、心臓の動きに合わせてズキズキ痛むこともあります。この場合は、特に温かいもので痛くなるときは、冷やすと痛みが和らぎます。今治水(こんじすい)や正露丸(せいろがん)など市販の応急処置薬も、多少は効きます。
第2は、急性歯根膜炎(きゅうせい しこんまくえん)です。神経を抜いている歯などにバイ菌が感染して痛みだす場合で、先ほどの急性歯髄炎とよく似たズキズキした痛みです。温度によって痛みが出ることは普通ありませんが、治療が途中になっている歯だけでなく、きちんと治療が終わっている歯にも起こることがあります。この場合、あまり有効な方法が無いことも多いのですが、冷やすと痛みが和らぐ場合もあります。とりあえず試してみてください。
第3は、歯肉炎です。歯ぐきからバイ菌が入ったために痛むもので、歯ぐきが腫れて、押さえたりするとさらに痛みます。普段から、歯の汚れやプラーク(歯垢)が溜まってしまい、歯槽膿漏ぎみとなった人によく起こります。親知らずが腫れた場合は、智歯周囲炎(ちし しゅういえん)と言います。さわると痛みが出やすいですから、患部はできるだけそっとしておいてください。これも冷やすと多少良くなることもあります。
いずれの場合も、これらの処置は一時しのぎにしかすぎません。できるだけ早く歯科医院にかかりましょう。