2008年5月
【月曜】 学習障害(LD)とは
乳幼児期から幼児期にかけて現われることの多い心身の障害に、発達障害があります。自閉症・アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などです。その中で最も多く知られているのが学習障害、英語でLearningDisabilities、略してLDと呼ぶのが一般的です。最近では日常会話にも登場する用語になってきました。
LDとは、全般的な知的発達に遅れはありませんが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものを身につけることが困難な状態を言います。
中枢神経系に何らかの機能異常があると推定され、100人の児童に対し1人~2人と、決して稀なことではありません。文字や数字を使った学習が始まる入学前後に症状が明らかになりますが、ことばの発達の遅れなどが幼児期に気付かれている場合もあります。
またLDには、不器用さや、注意欠陥多動性障害、対人関係の幼さなど、情緒面の発達の問題を合併することも多く、それへの対応も重要となります。特定の能力だけが劣っているため、周りに理解されにくく、本人は頑張っているのに認められず、さぼっているなどと思われたり、いじめにあったりすることもあります。
適切な対策がとられないと、自信を失い、更に二次的な問題を引き起こしていきますので、心の健全な成長を促すためにも、能力に合わせた学習、その子らしさを認めた対応を保護者、教師など周囲の人たちがなるべく早いうちから考えていくことが大切です。
そのためには、小児の精神発達を専門とする機関で、診察や心理発達検査などにより、どのような能力につまずきがあるのかを明らかにし、訓練などの適切な支援を考えていく必要があります。気になることがあれば、学校や教育委員会、小児科、保健所などで早めに相談をしてみましょう。