2008年6月
【木曜】 メニエール病についてご存じですか?
めまいを経験した方は多いと思います。めまいは耳や脳の障害によって起こりますが、多くのめまいは耳の病気によって起こってきます。
この中でも、メニエール病はめまいを起こす代表的な耳の病気です。周囲がぐるぐる回るめまいを繰り返し、耳鳴(みみなり)や難聴を伴うのが特徴的です。
メニエールとは、200年前に生まれた医師の名前です。それまでめまいはすべて脳の障害と考えられていましたが、めまいは耳からも起こることをメニエールが初めて報告しました。
さて、メニエール病は命に関わることはありませんが、突然強いめまいを起こして2、3時間起きあがれなかったり、頑固な耳鳴がしたり、聞こえが悪くなったり、日常生活に大きな障害を与える病気です。
このメニエール病の原因は現在なお不明ですが、症状が起こっている時に、耳の中の「内耳」という所がむくんでいることは確実視されています。そのため、新陳代謝や循環不全が予想されますから、メニエール病を起こす引き金があるはずです。それは体の疲れや精神的なストレスです。
さらに気象条件が関係していることも知られています。メニエール病のめまい発作の約40%は、寒冷前線の通過日に一致しています。気圧の変化が関係していると推測されています。
ストレスが長く続くと、メニエール病はさらに進んで元に戻らなくなります。しかし、早い時期にストレスを取り除くとメニエール病を治せることがわかってきました。また気圧の研究から、小さな気圧の変化を耳に加えてメニエール病の治療を行う、理学療法が近年注目されています。
メニエール病が疑われる場合は、早めに耳鼻咽喉科専門医へ受診されることをおすすめします。