2008年6月
【火曜】 お口のケア―美味しく食べるために―
お口の中をいつも清潔にして健康を保つことは、全身の健康を保ち、楽しく笑い、語り、美味しく食べることへとつながります。誰もが、自分の歯で美味しく食べたいと願っています。さらに齢を重ねれば、日々の食事は大きな楽しみの一つになっているようです。
しかし現実は、高齢になるにしたがって歯が残り少なくなり、噛めなくなってくる方が多く、歯に関する悩みを抱えていると言ってよいでしょう。お口の中のケアや治療は大切です。今日はそのことをお話します。
脳血管障害などの病気で、寝たきりなど介護が必要な方にとってはさらに深刻です。後遺症による手の麻痺や、口の機能が思うように動かなくなったりして、噛む力が衰えて飲み込みが悪くなるなど、自分の力で食事をするのが困難となることさえあります。そのうえ、歯が痛かったり歯ぐきが腫れたりして、お口の中にトラブルが起こると、食欲が低下して全身の健康が損なわれる結果にもなりかねません。寝たきりの方の健康を維持するためにも、お口の健康は大事なことです。
また、脳血管障害の後遺症によって、言葉がうまく出ないとか、食べ物が噛めても飲み込めないということがあります。その場合には、話し方や飲み込み方の訓練が必要となります。その時にお口の中が健康でなければ訓練はうまくいきません。
寝たきりの方は、お口の中にトラブルや不快感を表現できないこともあります。介護されている方はその人の口の中の状態もよく観察してください。お口の中を観察する時には、まず、表情やしゃべり方、食べ方を観察しましよう。次に、入れ歯を使っている方には、入れ歯をはずして観察しましよう。この2つを注意してみてください。
トラブルがあればすぐにお近くの歯科医師にご相談ください。