兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年7月

【水曜】 脳の人間ドック

 20年前は、脳梗塞・くも膜下出血・脳腫瘍は、「死に至る病気」として捉えられていましたが、昨今はさまざまな条件に左右されますが、手術によりほぼ術前と変わらない生活を送られている方が数多くいらっしゃいます。この訳は、手術の方法が発達したからです。以前は頭を開く開頭手術のみでしたが、現在は血管内手術が増加して、開頭するよりも時間的・身体的負担が格段に減少し、入院期間も半分で済みます。そして、脳外科疾患の診断に最大の貢献をしているのは、MRIなどの医療機器の発達です。

 脳外科疾患を疑う症状が発症して、開頭してみないと助かるかどうかもわからないという時代から、脳ドックによって、健康な人が自分の現在の脳と血管の状態を知って、これからもずっと健康で暮らしていくために活用する予防医療の時代が始まっています。

 脳ドックの検査は、MRI撮影を中心に行います。検査時間は約40分です。

これにより撮影した画像で脳・血管の状態が手に取るように明らかになります。今現在は症状がなく、異常所見もない場合は、1年に1回程度の検査でよいと思われます。変化がデータとして残っていくので、加齢によるものなのか、明らかな病変があるのかが判別しやすくなります。血液検査などもあわせて行いますので、現在の身体の状態から生活習慣を見直す良い機会にもなります。

脳梗塞は心臓疾患が原因で起こることもありますので、身体全体の健康管理が脳を守るといえます。状況によっては、脳梗塞予防のために薬を飲んだり、血管が破れてくも膜下出血になる前に、動脈瘤をクリップで止めたり(開頭手術)、コイルで固める(血管内手術)方法がとられます。ともにベストに近い体調のときを選んで手術ができるという大きな利点があります。

このように脳ドック検査から、いろいろな病気が発見されることもありますので、何よりも大切な家族のために、定期的な検査をお勧めします。

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