兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年8月

【金土日】認知症の早期診断

 最近、軽度認知機能障害という概念が認められるようになりました。これは、物忘れや聞き返しが多くなるなどの記憶の障害(記銘力障害)や、日付や場所が解らなくなるなどの障害(見当識障害)というものがみられても、日常生活には支障をきたしていない状態を指します。

つまり、正常な方が持っている認知機能と、認知症の方が持っている認知機能の中間にある状態です。

認知症は突然発病するものではなく、この軽度認知機能障害と呼ばれる状態を通過して認知症になると考えられています。単なる物忘れだけでなく、日常生活にも支障がある状態を認知症といいます。

 認知症は、初期の段階では本人や家族、周囲の者に気づかれない場合が多いため、本人だけでなく家族も、様々な苦痛や不利益を被ることになります。従って、認知症を早期に発見し、様々な角度から治療や支援を行っていくことが重要になります。

 認知症の軽度の段階では、どの様な症状があらわれるかを挙げてみます。

(1)物忘れ、聞き返しが多くなるといった記憶障害、(2)日付が解らなくなる障害、(3)料理、財産管理、事務的手続きなどの高度な作業ができなくなる実行機能障害、(4)人まかせになる、対人関係上のトラブルを起こすなどの問題解決能力の障害、(5)その人らしさが変わるといった性格変化、(6)興味・関心・意欲の低下などのうつ症状、(7)被害的傾向、もの盗られ妄想、まぼろしが見える幻視などの精神症状です。

現在、認知症の進行を予防する薬物が登場してきています。また、薬物療法以外に、例えば、古いアルバムを見ながら思い出を語ってもらう「回想療法」などの治療法が用いられ、効果が認められています。

先に述べたような症状に気づいたら、躊躇せずにかかりつけの医師に相談しましょう。

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