2008年9月
【火曜】 歯周病と糖尿病
みなさんは歯科医院で、歯周病だと言われたことはありませんか?以前は歯槽膿漏とも言いましたが、今では、歯周病と呼んでいます。
歯周病は、歯茎が弱ってきて、歯がぐらついて抜けてくる病気です。中高年になると、急激に悪化する可能性がありますので、40歳以上の方には特に注意していただきたい病気です。
歯周病は生活習慣病のひとつと考えられています。遺伝的に歯周病になりやすい体質は変えられませんが、生活習慣を変えることで、歯周病の進行を食い止めることは可能です。歯の手入れを十分にしていただくことが最も大切ですが、タバコやストレスを遠ざけることや、十分な睡眠の確保などの生活習慣を改善することで、歯周病の悪化を食い止めたり、進行を遅くすることができます。
近年、同じ生活習慣病の糖尿病と歯周病との関連が注目されています。糖尿病の患者さんはキズの治りが遅く、進行しやすく、重症の感染症になることがあります。そのため、糖尿病の方は歯周病が急速に悪化することがあり、歯科医院で治療していても、なかなか成果が現われないことがあります。
その逆に、歯周病治療が成功している結果、糖尿病患者さんの血糖値も改善されたという報告が出され、注目されています。歯周病治療を通して生活習慣を見直すことで、他の生活習慣病も改善される可能性があることは、当然考えられることです。
糖尿病の方は、ぜひ歯周病の治療も受けられることをおすすめします。
ご自分の歯で、一生美味しい物を食べる楽しみを得るためには、歯周病の治療が欠かせません。歯周病対策には、歯のクリーニングが重要です。歯科医院での一年に2回ないし4回程度のクリーニングが有効です。場合によっては毎月のクリーニングが必要なこともあります。定期的なクリーニングを長期にわたり続けられることで、歯の持ちが大変よくなります。かかりつけの歯科医院をもって、ご相談してください。