兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2008年11月

【月曜】 ウィンクで黄斑変性を早期発見

 “物がゆがんで見える”これは、網膜の中央の黄斑というところの異常によって起こる症状です。テレビなどでよく取り上げられる、加齢による病気です。

この病気は、通常60歳以上の人に多く見られます。以前は、有効な治療法がなく、失明する人が多かったのですが、ここ数年で新しい検査法や治療が開発され、早期発見、早期治療により、確実に視力の回復や予防が可能となりました。

 黄斑変性には、萎縮型と浸出型の2つのタイプがあります。萎縮型は、進行が遅く加齢とともに徐々に網膜が縮むため、視力低下がゆっくりと進むものです。一方、浸出型は、黄斑部の網膜の下に「新生血管」という余分な弱い血管ができ、その血管から水分が滲みだし、物がゆがんで見えるようになります。さらに出血を起こすとその部分は見えなくなってしまいます。

 黄斑変性の診断法としては、OCTと呼ばれる網膜の断層X線撮影によって、簡単に診断ができるようになりました。これによって、新生血管の有無やその位置、あるいは水のたまり具合など容易に確認ができ、診断だけでなく治療の決定にも重要な情報を得ることができます。

 治療は、従来の光凝固術という手術法に加え、新生血管だけにレーザーをあてる光線療法(PDT)や、手術で新生血管を取ってしまう新生血管抜去術などがあります。最近では、血管の進展を阻害するような薬剤を用いる方法も考案されています。

黄斑変性の予防や進行を遅らせる目的でサプリメントなどの服用も考えられていますが、本当に確実なものが無いのが現実です。

いずれにしても、早期発見、早期治療が大切であることは言うまでもありません。左右の視力には多少の差があるため、両目で見ていると、良いほうの目がカバーしているので、この病気は自覚しにくいものです。早期発見には片目つむりが有効です。パチッとウィンクしてみてください。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。