2009年1月
【金土日】禁煙のススメ
たばこが体によくないことは誰もが知っていることです。また現代社会では喫煙すること自体が難しくなっています。このように、たばこを吸っている人も常に禁煙のことを意識せずにはおれない状況ですが、それでもたばこが止められないところに喫煙習慣の怖さが潜んでいます。
たばこで集中力が増して仕事の能率が上がる、イライラが解消される、目が醒める、リラックスできる、痩せられる等はすべて医学的に間違った思いこみです。
喫煙は、医療では「ニコチン依存症」という病気として扱われていますが、ニコチン依存には身体的な依存と精神的な依存の2種類があります。身体的な依存は、貼り薬や飲み薬を使うことで2~3カ月以内には克服することができますが、精神的な依存はたいへん根が深くて最低でも3カ月は治療が必要です。さらに本人が心の底から確信を持って禁煙宣言できるようになるには、1年という期間を要すると言われています。青少年では、喫煙習慣がたばこ以外の依存症のきっかけとなることもあるので、とくに要注意です。
喫煙が体に及ぼす影響は大きく分けて3つあります。第1は、肺癌や食道癌をはじめとする癌、第2は、肺気腫などの呼吸器疾患、第3は、狭心症や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化です。
さらに若い人においては不妊や胎児への影響、受動喫煙など子どもや環境への影響もあります。
一方、実際に禁煙外来でお話をうかがっていると、禁煙の効果の早さに驚かされます。咳(セキ)や痰(タン)が出なくなった、呼吸が楽になって息切れせず体が軽い、起床時のしんどさがない、味覚や嗅覚が戻ってきた、足の冷えや肩こりがなくなった、等の声が聞かれます。全身の血行がよくなって顔色もバラ色になります。何よりも禁煙できたという自信で、どなたも表情が明るくなります。そしてさまざまな禁煙補助剤のおかげで、思ったより楽に乗り越えられたという声も多く寄せられています。
たばこに縛られて迷っているあなた、さあ思い切って健康への一歩を踏み出すために、禁煙外来を行なっている医療機関にご相談ください。