2009年1月
【火曜】 歯医者を怖がる子どものために
歯医者に行ったときに、よく待合室で泣いている子どもを見かけます。そうした子どもたちは、歯医者で治療した経験のある子どももいますが、治療経験のない子どももいます。歯科医院に入る前からすでに泣いたり、治療したことのない子どもが泣くのは、歯医者を怖がるからなのです。なぜ歯医者を怖がるのでしょうか。
子どもは、歯医者に来る前に、歯医者の情報を耳にしたり、目にしたりします。この情報は、親を含めた大人が子どもたちに与えます。
例えば、大人たちはこんな話をしていませんか?「歯医者は痛い。歯医者は嫌いだ。歯医者は怖い。歯医者に行きたくない」と。そんな話をしているそばに子どもがいれば、子どもは歯医者を怖がるでしょう。
では、どうすればよいでしょうか。まず、周りの大人が歯医者は痛い、怖いというイメージを子どもに与えないことです。子どもに「むし歯になれば、歯が痛くなってご飯が食べられなくなっちゃうよ。だから、歯医者さんに悪い虫歯のばい菌を取ってもらおうね」というふうに、歯医者は子どもたちの味方なんだと、日頃から子どもたちに教えてあげましょう。
最近の歯科医院では、次のような工夫をしているところも多くなりました。
第1に、「歯科治療は削る」とは限りません。お口の中をしっかり観察してから治療方針が決められます。
第2に、仮に削ることになっても、以前に比べて静かな音の機械が増えています。患者さんのストレスを軽減して、快適な診療環境に心がけています。
第3に、軽い麻酔をかける方法もあります。痛みの感覚が相当鈍くなり、回復するのも短時間で済みます。
その他、歯科医師をはじめ、スタッフが一丸となって、不安や恐怖心をやわらげるようにしています。
子どもが歯医者を怖がらないためには、虫歯がないときから、定期検診などで、子どもたちに歯医者を経験してもらうのも良い方法です。最後に、親御さん自身が、信頼できる歯医者をみつけましょう。親が信頼していれば、その安心感が子どもに伝わります。医療は、患者さんと医療機関との信頼関係で成り立つのです。