2009年3月
【金土日】すいみんの問題について
睡眠の障害というと、たいていの場合、夜に眠れないという、いわゆる「不眠症」を思い浮かべるかもしれません。しかし、この他に、睡眠時間帯がずれてしまう「睡眠・覚醒リズム障害」や、日中にこらえきれない眠気が何度もおそってきたり、長く眠りすぎたりしてしまう、「過眠」といった状態が起こってくることがあります。実際に最近は、このような相談で精神科や心療内科を訪れる方が増えてきています。
睡眠と覚醒のリズムが崩れると、夜更かしをして、あるいはもっと朝方まで起きていて、翌日は昼ごろや夕方まで寝てしまうことになり、昼夜の逆転を引き起こしてしまいます。また、眠りすぎ、即ち「過眠」が続くような場合にも、昼夜逆転現象につながったり、昼間も夜も一日中ふとんから出られないといった状態になったりします。いずれの場合も、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼします。
こういった相談の中には、いわゆる「うつ病」によく見られる症状が隠れている場合や、「認知症」との関わりにも注意することもあります。
「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「もう少し寝ていたいのに、朝早くから目が覚めてしまう」「朝になったけど、ぐっすり眠った気がしない」などの訴えの他、「目が覚めても、気落ちしてなかなかふとんから離れられない」「不快な気分や不安感から、一日中寝てしまう」といった内容の相談も少なくありません。
ここで挙げたような状況を、単なる疲れや睡眠不足と思って、長い間そのままにしておくと、ますます精神的にも身体的にも不調をきたすようになりかねません。
私たちが心身ともに健康な生活を送るためには、質のよい眠りは欠かせないものです。少しでも困った状況が続くようであれば、早い時期に医療機関を訪ねることをおすすめします。