2009年3月
【水曜】 手にしびれが起こったら
手のしびれは、中年以降、特に女性の方によく見られる症状です。
まず、40~50歳代の方に多い、しびれの原因を紹介します。
仕事でパソコンを使っている人やレジのキ-を打つお仕事をされている人は、手首のスジで血管や神経を圧迫してしまうことがよく起こります。手首にある「手根管(しゅこんかん)」という、短いトンネルのような部分があり、そこが圧迫されて起こる症状なので、これを「手根菅症候群」といいます。原因は手首の使いすぎと、あとは体質です。仕事量が少なくても起こる人もあります。
この場合は手首での圧迫を取るために、整形外科で電気治療や温熱療法を受けます。シップなどでもなお改善しない場合は、手首に局所注射をすることもあります。
両方の手や指が同じ程度にしびれを感じる場合は、しびれの原因が首にあることが推察されます。首に原因がある場合、これを「頸椎症性神経根症」(けいついしょうせい・しんけいこんしょう)といいます。頸椎、即ち、首の骨のところで腕や手、指にゆく神経が圧迫されて起こります。左右どちらかに片寄って起こる場合もあります。そのような症状があるときは整形外科を受診しましょう。レントゲン検査で、首の骨の変形が確認できた場合には、治療を早急に始めます。
治療は、首の骨による神経圧迫をとるために、頸椎をひっぱる牽引を行います。基本的ですが、もっとも重要な治療です。牽引だけで神経圧迫が軽くなることが、多くの方で実証されています。
次に、60歳以上の高齢者の場合です。
手や指のしびれを訴えるお年寄りは大変多いです。たいていの方が、手のひらの神経や血管の老化現象によるものです。血管や神経が老化によって細くなり、若いときのように血流が十分に行かなくなります。これも整形外科等でリハビリを続けることにより改善します。
その他に、どの年齢にせよ急にしびれが起こり、手以外に唇のしびれや運動マヒを伴う場合は、脳梗塞の疑いがあります。急いで脳神経外科を受診してください。