兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2009年4月

【金土日】新しいニキビの治療薬

 今日はニキビの新しい塗り薬についてお話しましょう。
 ニキビのできているところをよく観察してください。炎症を起こした赤いブツブツの他に、毛穴が詰まって閉じてしまい白く見える「白ニキビ」や、毛穴の出口が開いて黒く見える「黒ニキビ」が混じっているのが見えるでしょう。
 「白ニキビ」や「黒ニキビ」の毛穴の奥で、ニキビ菌が増殖すると赤いブツブツになり、さらにひどくなると膿(うみ)をもった大きなニキビになります。ですから、最初にできる「白ニキビ」や「黒ニキビ」を早く治せば、赤いニキビが出にくくなるということがお分かりになると思います。
 最近まで、「白ニキビ」や「黒ニキビ」によく効く塗り薬は日本にはほとんどありませんでした。欧米では1990年代から、「アダパレン」という化学物質で、ビタミンAの一種である「レチノン」を含んだ塗り薬がニキビに使われ、今では世界80カ国以上で使われています。日本でも2008年10月に、ようやく健康保険で使えるようになり、皮膚科を受診されるニキビ患者さんの治療の選択肢も増え、効果も出てたいへん喜ばれています。
 この塗り薬は、最近発表されたニキビ治療のガイドラインでも第1位に推薦される薬で、皮膚の表面の細胞が造られるのを抑える働きがあり、毛穴の出口付近の、厚く硬くなった角質を薄くして、「白ニキビ」や「黒ニキビ」を治します。炎症のある赤いニキビの場合は、今までのように抗生物質を同時に使用すると効果があるといわれています。
 ただ、この新薬を塗り始めると、塗った部分の角質が薄くなってくるので、皮膚が乾燥しやすくなったり、少しヒリヒリすることもあります。ほとんどの方は大きなトラブルもなく塗り続けておられます。しかし、使用については年齢制限があり、妊婦や授乳中の人には使えないなど、注意して用いる薬ですから、皮膚科専門医を受診されて、よくご相談されてから使われるとよいでしょう。
 なお、睡眠をよくとることや、お肌を清潔に保つことなどが、ニキビを治すために大切であることは言うまでもありません。

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