2009年7月
【火曜】 インプラント(人工歯根)治療とは
インプラント治療とは、歯が無くなったところの顎の骨に、人工の歯の根っこを埋め込み、その上に人工の歯をつけて、自分の歯として使うことができるようにする治療法です。
ブリッジという方法では、健康な歯まで削り歯を傷めることになりますし、入れ歯では、しっかり噛めなかったり、入れているだけで異物感もありますが、インプラントは使用可能年数が長くしっかり使えるというデータが出ています。
この治療法は、手術が前提となりますし、健康保険が使えず費用は全額自己負担です。顎の骨の状態がよほど悪くなければ、手術後の痛みも腫れもあまりないのが通常です。費用については各施設で違いますが、歯の根の部分と差し歯の両方を作ることになるので、どうしても高額となってしまいます。
インプラント治療は、歯周病をまず治してから開始することが多いようです。これは歯が無くなった原因の多くが歯周病ですから、残っているご自分の歯にも多かれ少なかれ、細菌による歯周病の影響があるためです。しっかりした骨に埋める人工臓器のインプラントは、細菌による悪影響から守るようにしてからになりますから、長い期間がかかる場合もあります。
さらに、可能性は低いですが、手術後に神経のしびれが出たり、うまくいかず除去に至ることもあります。そうならないように、口のなか全体の十分な精密検査を含め、CTなどによる精度の高い検査を行い、綿密な計画を立てることが重要です。そして処置後長く使っていくためには、歯科医院での定期健診と、十分な指導に基づいたメンテナンスが大切です。
この治療に対してのトラブルも多いようですが、やはり歯科医院とコミュニケーションが十分に取れていないことが原因のようです。したがって、治療の前には、精密検査からメンテナンスへの流れがしっかりしているか、起こるかもしれない問題を十分に伝えてくれているか、かかる治療費が明瞭であるか、などを確認していくことが必要です。
しかし、本来この治療は、つらい治療でもありませんし、入れ歯やブリッジとは比べ物にならないぐらい自分の歯に近いものです。是非、生活の質を向上させて、快適な日々を送っていただければ幸いです。