2009年7月
【月曜】 食物と子どものアレルギー
離乳期の赤ちゃんに食べ物のアレルギーが多いことは皆さんご存知のことでしょう。
遺伝的な体質とともに、免疫や消化吸収機能が未熟なためと考えられます。アレルギーを起こす食品を食べると、じんましんが出てかゆくなったり、ぜいぜいと喘息症状が出たりします。また、アトピー性皮膚炎では、通常の軟膏治療で改善しない場合には、食物アレルギーが原因の1つであることもあります。
けれど、血液検査や皮膚テストで陽性になったから必ずその食物を制限しなければならないというわけではありません。実際にその食物を制限して、症状が良くなるか、食べてみて悪くなるかを調べて判断します。
明らかにアレルギーがあると判断された食品は、原則として摂取を制限します。卵、牛乳、小麦などがアレルギーとなることが多く、お母さんは食事を作るのが大変です。しかし、これらの食品は3歳を過ぎて子どもが成長するにつれ、食べることができるようになることが多いので、それまでは頑張ってほしいものです。
卵、牛乳を制限するといっても、そのものだけなのか、加工食品も含むのかは、アレルギーの程度によりますので、お医者さんとよく相談してください。そば、ピーナッツ、エビ、カニなどの食品は、一度アレルギーになると大人になっても食べられないことが多いので、与える時期に注意しましょう。
小学生以上になりますと、食事後に運動すると喘息やじんましんが現れる子どもがいます。毎回ではないので、なかなか気付かれないのですが、よく観察すると、特定の食品を食べた後で運動すると症状が現れることが分かります。これは「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と言って、小麦やイカのアレルギーがあることが多いのですが、食べただけでは症状が出ず、食後に運動することで起こります。あらかじめ運動する予定がある場合は、運動前にアレルギーのある食品を摂取することを控えましょう。