2009年9月
【木曜】 耳鼻科で診る「めまい」
めまいが突然起こると、だれでも不安になります。原因はさまざまですが、頭痛がしたり、喋りにくくなったり、手足がしびれたりということがなければ、まずは耳鼻咽喉科の病気が考えられます。
耳鼻科で診る「めまい」のうち、良性発作性頭位眩暈、中耳炎、外リンパ瘻によって起こるめまいについてお話します。
第1は、「良性発作性頭位眩暈」によるものです。その症状は、起き上がったり姿勢を替えるなど、頭の動きを伴う動作をきっかけに突然起こる、回転性のめまいです。1分間ほどで治まりますが、グルグル回転する感覚が強く、時には嘔吐を伴うことがあるため、恐怖を感じる人も少なくありません。
これは、耳石器から剥がれた耳石が半規管に入り込んだときに頭を動かすと、その耳石が移動してリンパの流れを乱すために起こることもあると考えられています。治療法は、薬物や特殊な運動療法が有効です。
第2は、「中耳炎」によるものです。中耳炎をしっかり治さないでいると慢性化して、耳の骨が溶けて中耳の炎症が内耳に及ぶため、めまいを起こすようになります。このような場合は、中耳炎を手術で治す必要があります。
第3は、「外リンパ瘻」です。症状はくしゃみ、重い荷物の運搬、強い鼻かみ、飛行中の気圧の変化、潜水、耳かきなどの直達外力、頭部外傷などの後に突然、感音性難聴やめまい、耳鳴りなどが生じることがあります。原因は、内耳と中耳の間に病的な通り道ができてしまって、リンパ液が流出するためです。治療は、耳鼻科の一般的な治療となりますが、悪化する場合は手術でこの通り道を閉じることが必要です。 このように、めまいがある場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
なお、耳鼻科以外のめまいに脳の病気によって起こるものがありますから、すぐに救急病院や脳神経科を受診しましょう。