2009年9月
【火曜】 特定健診とメタボリックシンドローム
脳卒中や心筋梗塞は、ある日突然発症し、突然に亡くなる急性期死亡率が高い疾患であり、わが国では3人に1人という死亡率となっています。これらの疾患は、糖尿病に代表されるメタボリックシンドロ一ムが主な原因です。
少子高齢化のわが国では、国民誰しもの願いである健康と長寿を確保し、また、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものとするため、国は2008年4月から「特定健康診査及び特定保健指導制度」を発足させました。対象者は40歳から74歳の医療保険加入者です。
対象者には、誕生月に医療保険者から受診券が送付されますので、その受診券と被保険者証を、特定健診を行う最寄の病院・診療所が実施機関になっていますので、そこの窓口に提出して検査を受けることができます。
特定健診は、糖尿病などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドロームに着目しての診査です。検査項目は問診、へその周りの腹囲測定、身長、体重測定、血圧測定、血液検査で血糖値、肝機能、中性脂肪、コレステロール、そして尿検査などです。
まず腹囲は、男性は85cm、女性は90cm以上をメタボリックシンドロームの可能性があるとします。他の検査値の目安は、血圧は上が130、下が85mgHg以上、血糖は100㎎/d?以上、ヘモグロビンAlcは5.2%以上、中性脂肪は150mg/dl以上、善玉コレステロールは40㎎/dl以下を異常と判断します。また、医師が必要と判断した場合は、他の検査として心電図、眼底検査、ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球も追加されます。そして、喫煙歴も考慮し、特定保健指導の対象者を決めます。
特定保健指導は、予防すべき程度によって、面接指導を1回行う「動機付け支援」、または、3~6回の継続した指導を行う「積極的支援」に分けられて、専門家がアドバイスします。しかし、前期高齢者では「動機つけ支援」しか受けられず、また、血圧降下剤などの薬を飲まれている方は特定保健指導の対象者としないなどの問題があります。
健康と長寿のために、40歳から74歳の皆さんは、特定健診を積極的に受けるようにしましょう。