2009年10月
【水曜】 おしっこの色と病気
おしっこの色を気にされる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。尿はその濃縮の度合いによって色合いが変わります。普通は薄い黄色から茶褐色ですが、体に水分が不足気味だと紅茶のように濃い色になり、逆に水分が充分に足りていると水のような透明な尿になります。
いろんな病気で尿の色合いが変わるので、注意が必要です。
「血尿」は、尿に赤血球が混じった状態をいいます。目で見てわかるものを肉眼的血尿といい、色合いとして鮮やかな赤色、赤ワイン色、ピンク色、コーヒーの色、茶褐色などです。尿路の結石、腫瘍、感染症、腎炎などで見られます。肉眼で血尿が見られる場合、何らかの病気がみつかることが多く、特に悪性腫瘍の可能性もありますから、早期に泌尿器科などの医療機関を受診してください。特に血尿以外の症状がない場合、血尿がおさまったから大丈夫と思わずに、必ず受診するようにしてください。
泌尿器科などで顕微鏡を使って直接尿を見る検査では、尿の中にある赤血球や白血球、細菌、カビ、塩類、時には腫瘍細胞も観察できることがあり、非常に有用です。尿の色や濁りの原因がはっきりします。また、目で見てわからないわずかな変化もわかる時があります。
塩類と呼ばれる物質が尿中に飽和した状態となり、結晶化して尿が濁って見えることがあります。これは尿の濃縮の度合いやPHにより正常の人にも見られますが、尿路結石と関連する場合もあります。
膿尿というのは、白血球やバイ菌が混じった状態で、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症などで見られます。ひどい時には米のとぎ汁のような尿になります。血液が混ざればさらにそこに赤色や茶色が加わります。尿路感染の時は、排尿痛や発熱など他の症状もあることが多いですから、異常に気づきやすいでしょう。
尿の色がおかしいと感じたら、泌尿器科やかかりつけ医を受診してください。