2009年10月
【月曜】 RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症は、カゼの原因ウイルスとして最も多いものの1つで、とくに、秋から春にかけて流行します。生まれて初めて迎える冬にほぼ半数の子どもがかかり、2歳頃までにほとんどの子どもが1回はかかると言われています。2歳以上になってからは時に肺炎を起こしたりする他は、鼻カゼや咳・鼻水が目立つカゼ程度ですむことが多いのですが、乳児とくに生後6カ月未満の赤ちゃんでは重症化しやすく、ゼーゼーのひどい気管支炎や肺炎などを起こして、入院が必要になることも多く、注意が必要です。
この感染症の症状は、鼻水や鼻づまりで始まることが多く、やがて咳が目立ち始めます。中耳炎を合併することも少なくありませんが、高い熱は出ないこともあります。咳がひどく、息づかいとともにゼーゼー、ヒューヒューの音が聞かれる場合は、呼吸困難を起こす恐れが高いので、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。とくに、生後6カ月未満の赤ちゃんや、早く生まれた赤ちゃん、あるいは、肺や心臓に慢性の病気を持つ赤ちゃんは重症化しやすいので、疑わしい症状がある場合は、早めに受診するよう心がけてください。
予防についてもお話しましょう。RSウイルス感染症も他のカゼのウイルスと同じように、咳・くしゃみ・鼻水・痰などの飛沫、つまり飛び散ったものに接触することで感染しやすいものです。また一生を通じて何度もかかるものです。流行している時期には、赤ちゃんだけでなく大人も、人混みをなるべく避けるようにしたり、うがいと手洗いを心がけましょう。もちろんカゼを引いている人は、できるだけ赤ちゃんと接触しないようにすることは当然です。
また、受動喫煙、つまりタバコを吸っている人の近くでその煙を吸い込むことは、RSウイルス感染症が重症化する危険因子と言われています。赤ちゃんがタバコの煙を吸わない環境を守ることも大切です。